2017-10

石川九楊展

上野の森美術館で、「石川九楊展」が7月5日から30日まで開催されました。

http://www.ueno-mori.org/exhibitions/article.cgi?id=214

九楊展1

前衛書家の先生にすすめられて、何の予備知識もなく行ったのですが、いわゆる普通の書道展と思っていたので、最初は「これが書?」と度胆を抜かれました。独特の世界に目が釘付けになり、展覧会を見終わる頃にはすっかり虜になってしまいました。

カラマーゾフの兄弟(部分)
kyuyo 2

源氏物語書巻55帖より「朝顔」
kyuyo 3

源氏物語書巻55帖より「野分」
kyuyo 5

ご本人が作品制作をされている映像が会場で流れていましたが、実際に原典の本を見ながら細い筆で制作されていました。
文字が派生してこのような世界に広がっているのでしょうが、見る人によっては色々なものに見えます。
ミロやクレーに通ずるところがあったり、音を表現したカンディンスキーの絵画作品にも通ずるところがあったり。
私には音が聞こえてくるように感じましたが、一緒に鑑賞していた友人は、「三次元ではない、別次元の世界への入り口に見える」と話していました。

源氏物語書巻55帖より「若菜 上」
kyuyo 6

西洋画好きの友人にすすめてみたところ、早速見に行ってよかった!と返事があり、友人は、ロスコーやカンディンスキー、クレーみたいと話していました。

ご本人がショップにいらっしゃって、図録に気軽に墨でサインをしてくれたのにも感激しました。ライヒやグラスのコンサートに行った時も思いましたが、素晴らしい作品と、その作品を生み出したご本人を同時に目の前にすることができるのは、本当にすごいことだなと思います。

国際公募第17回国際墨画会展

渋谷にメインのお教室を設けている「国際墨画会」の国際公募展が、今年も六本木の国立新美術館にて開催されました。
書道と同時期に始めた水墨画ですが、こちらのお教室に通い始めて4年目、今年3度目の出品をさせて頂きました。

17墨画展1

http://sumi-e.or.jp/infomation/2017/06/29/%e7%ac%ac%ef%bc%91%ef%bc%97%e5%9b%9e%e5%9b%bd%e9%9a%9b%e5%85%ac%e5%8b%9f%e5%9b%bd%e9%9a%9b%e5%a2%a8%e7%94%bb%e4%bc%9a%e5%b1%95%e3%82%92%e7%b5%82%e3%81%88%e3%81%a6/

会期は6月14日から26日までの約2週間。来場者は合計で1万人を超え、毎日2回(週末は3回)開催されるワークショップの参加者も、見学を含めると1000人を超える盛況ぶりでした。

17墨画展2

ワークショップは1回45分間で、竹の描き方をレクチャーします。参加者の皆さんにも描いてもらい、最後は落款を押して作品として仕上げてお持ち帰り頂いています。参加は無料ということもあり、大変人気があり、水墨画が初めてという方が多いですが、毎年このワークショップを楽しみに参加されている方も大勢いらっしゃいます。また、外国人の参加もとても多く、回によっては参加者のほとんどが外国人ということもあります。

17墨画展3

講師は、国際墨画会の講師資格者が担当します。展覧会前の授業では、ワークショップ講師としての授業が開催されます。私も今年3度目の講師体験でしたが、毎回シチュエーションが違うので、楽しい反面、何度やっても緊張します。今年担当した回では、昨年も参加されたという方が数名と、初挑戦という方が数名と、韓国とタイからの観光客の方が参加してくれました。

国際墨画展の特徴は、様々な国からの出品があることです。中国、台湾、マレーシア、オーストラりア、イギリス、アフリカ等々、色彩も豊かでバラエティーに富んでいます。また国際公募なので、誰でも応募することができます。今年は中国の西安からの応募者が受賞し、レセプションに参加するためにご夫婦で来日されていました。

17墨画展4

17墨画展5

余談ですが、こちらは同時期に開催されていた公募展のポスターです。

17墨画展6

いつも思うのですが、書道や絵画の公募展のポスターは日本語の文字しか書いていないものがほとんどなので、特に国立新美術館は海外の来場者がとても多い美術館ですし、海外の方が見ても何の展覧会なのか分からないのが残念です。国際墨画会展の、特に海外からの来場者が多いのは、ポスター効果もあるのではないでしょうか。

今年の3分の一

気が付けばもう一年の3分の一が過ぎてしまいました!
時間がすぎるのは本当にあっという間。
書道と水墨画に関しては、しばらくは基礎力をつけるべく修行の時期と決めたので、今年も走ってます。
今年に入ってからの4か月も、色々ありました。

その1:仮名昇段試験4段受験。
課題は2X6尺の画仙紙に任意の和歌1首 + 高野切一種の臨書一枚でした。

20174高野切

和歌は、鎌倉時代の僧、明恵上人の歌を選びました。

~昔みし、道はしげりて跡たえぬ 月の光をふみてこそ入いれ~
(あの時の道は今雑草が茂って、痕跡もなくなってしまった。月の光を踏んで、入ってゆくのだ)

私のかなり勝手な解釈ですが、この歌を見た時、今は消えてしまっている前世の記憶を、闇に浮かぶ光を頼りに辿っていくイメージが浮かびました。儚くも道しるべとなる美しい月の光を表現してみたい!と、思うには思うのですが、技術が追い付かないので、とりあえずは先生のお手本とにらめっこしながら何度も書き直し。〆切ぎりぎりに提出です。

なんとか無事4段合格できました:)

その2:毎日展
毎日展の作品提出〆切が、清和は4月半ばのため、毎年昇段試験の時期と重なります。別々に進めている時間がないので、今年も昇段試験で書いた歌と同じものを書くことになりました。
昇段試験が終わった後の2週間ほどの間に、こちらも何度も書き直し、またまた〆切ぎりぎりに提出です。

その3:山手アトリエ展
大学の時に通っていたアトリエの展覧会が毎年春に開催されます。今年は私の作品も飾って頂く機会に恵まれましたが、新しいのを描いている時間がなかったので少しずるいとは思いましたが(^^;)、昨年清和展に出品した軸の絵の部分をざくざくとハサミで切り取り、額に入れて飾ってもらいました。
20174 兎

その4:水墨画
今月4月、水墨画師範資格を取得することができました:))目標だった2年で講師資格、2年で師範資格が達成できました。

その5:国際墨絵会展
6月に水墨画教室の展覧会が国立新美術館で開催されるので、その作品提出の〆切が今月でした。今年はフクロウと、友だちの子どもと猫の2点を出品しました。

その6:コンサート
オマケですが、今年に入って、ジェフ・ミルズ、スティーブ・ライヒ、ルドヴィコ・エイナウディのコンサートに行くことができました。後世に名を残すような天才作曲家が生きているうちに、本人の演奏で本人の曲を生で聞くことができるのは本当にすごいことだなぁと思います。

今年もあと3分の2、何があるか分かりませんが、息切れしつつも楽しく疾走してみようと思います。



今年の管理人の成果

2016年もあっという間でした!

4年前に書道を始めてから目標に掲げていた「師範取得」が達成できたことは、今年の大きな成果でした。また、同じく4年前に始めた水墨画の公募展では賞を頂けたことも自分にとっては嬉しい出来事でした。

でも、資格取得や賞の受賞、昇段などは、目に残る成果として自分のやる気をあげるためには役にたちますが、本当に大切なのはその後だなーというのが、一つ階段をのぼってみた感想です。

書道と水墨画を始めて一番思うことは、「時間(そしてお金。。。)が足りない!」ということですが、これから続けていく上で、自分にできることは何だろう?と、模索する年がしばらく続きそうです。

そして、今年は異分野で活躍されている方たちと色々深い話ができたことも大きな成果でした。芸術にとってクロスカルチャーはとても意義のあるものだし、作品を作る上でも本当に大切なことだと実感できる年でした。

ブログに遊びに来てくださった皆様、どうもありがとうございました。
来年も皆様にとって良い年でありますように!

ふくろう
(酉年にちなんで、只今制作中のフクロウの絵より)







仙厓とアレシンスキー展

この秋、行きたい展覧会が目白押しで時間を作るのも一苦労。満員電車や交通渋滞でうんざりすることも多いですが、色々な展覧会がそこかしこで開催される季節は、東京にいるメリットを特に享受できるひと時でもあります。

もう終わってしまいましたが、11月13日まで出光美術館で開催されていた「大仙厓展」は楽しみにしていた展覧会の一つでした。
2016仙厓

仙厓は「可愛い」禅画として最近とても人気がありますが、この筆のタッチや何気ない線がなんとも言えない温かみのある味を出していて、私ににとっては、究極的にはこういう絵が描けたらいいなと常に思っている大師匠。出光美術館は膨大な仙厓コレクションを所有しているので、度々仙厓展を開催しています。確か前回は2013年でしたが、今後も開催されると思うので、機会があればぜひ仙厓の素朴だけれども人の心を打つ書画をご覧になってみて下さい。

そして、そんな仙厓を師と仰いでいる、ベルギーの現代美術を代表する画家であるピエール・アレシンスキーの展覧会が、12月8日まで渋谷の文化村で開催されています。

http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/16_alechinsky/

日本の書にも大きな影響を受けたと言われるアレシンスキーですが、会場には自らが1955年に制作した「日本の書」というドキュメンタリーフィルムが流れていました。篠田桃紅や森田子龍などの書家を映像の残したショートフィルムですが、フランス語のナレーションと、幻想的な現代音楽がバックに流れていて、今までとは全く違う視点から日本の書を眺めているような不思議な感覚になりました。

日本・ベルギー友好150周年を記念した日本初の回顧展ということで、広い会場はアレシンスキーの大作で埋め尽くされていてかなり見応えがあります。

アレシンスキー

文字や言葉にこだわりが強く、手紙や書類、地図、航海図など、文字のある反故紙を使ってたくさんの作品を制作しています。
アレシンスキー3

展覧会最後の部屋で流れていたアレシンスキーのインタビュー映像も、作品制作風景やアトリエの様子がわかってとても面白かったです。アレシンスキーは中国画宣氏や和紙なども使って作品を制作していますが、キャンバスの上に紙を裏打ちしているところが写されている場面があり、日本では通常水墨画や書道作品は通常表具屋さんにお任せしてしまうので、どうやるのかとても興味が湧きました。

アレシンスキーは89歳を迎える現在でも精力的に作品を発表し続けているとのことで、同じ時代に今も生きている偉大なアーティストの作品を見ることができ、感動もひとしおでした。


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清和書道会は、書道の研究と普及を目的として、昭和24年に書家の植村和堂によって創設された書道会です。清和書道会HPはこちら

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