2015-03

楢原萠春個展が開催されました~同人有志小品展同時開催~

当会の副会長、楢原萠春先生の個展(毎日新聞社、全日本書道連盟、かな書道作家協会、清和書道会後援)が、3月17日から6日間、銀座画廊美術館で開催されました。

narahara

楢原先生は、昭和36年清和書道会に入会後、植村和堂先生に師事しました。毎日書道展かな部審査会員、毎日書道展かな部運営委員・選考委員、かな書道作家協会常任理事などをつとめられ、現在も精力的に会員の指導にあたっていらっしゃいます。清和会員の展覧会作品は、和堂先生と楢原先生の遺伝子を色濃く受け継いでおり、当会にはなくてはならない大黒柱的存在です。

今回の個展では、「書には、作家の人柄や生き方がほのみえた方が楽しい」という先生の視点の元、西行、芭蕉、良寛、山頭火など、いずれも世俗を離れた特異な生き方をした人々、また現代では、病魔におかされ、長く苦しい闘病生活を余儀なくされた末に和歌がほとばしり出たという共通点を持つ2人の女性、柳澤桂子と鶴見和子の作品が対象に選ばれています。

自らが深く感動したという言葉が表現されているからか、凛とした線の美しさ、墨色の美しさ、構図や余白の美しさなど、古典かな芸術の美しさを全て備えながらも、ストレートに見る者の心をうつ作品が揃っています。

ここにその作品をいくつかご紹介しますので、ご覧下さい。

朝露のきらきら光る蜘蛛の巣に白萩の花一つ捕らはる
~柳澤桂子~
楢原先生2

うしろすがたのしぐれてゆくか
~山頭火~
楢原先生3

梅の花折りてかざして石の上古りにしことを偲びつるかも
~良寛~
楢原先生4

吉野にて桜見せぶぞ檜木笠
~芭蕉~
楢原先生6

ふるさとへ行く人あらばことづてむけふ近江路を我越えにきと
~良寛~
楢原先生8

一つ家に遊女も寝たり萩と月
~芭蕉~
楢原先生9

梢ふく風の心はいかにせんしたがふ花のうらめしきかな
~西行~
楢原先生7

また、今回は同人有志小品展も同時に開催されました。
清和書道会が得意とするかな古典の作品が多く出品され、繊細で華麗な書の伝統美が存分に味わえる展覧会となりました。

ここに何点かご紹介します。

青木敏子常任理事
同人10


久保田未央常任理事
同人8

小林徳子理事
同人7

角川爽流理事
同人5

野口春華理事
同人1

秋葉虹春幹事
同人6

菊池薫幹事
同人4

嶌村錦秋幹事
同人3

杉崎峯子幹事
同人2

毎日書道展などの大きな展覧会と異なり、今回は比較的小品が多かったですが、線や墨色の美しさ、余白、料紙、軸や額、マット、落款印などが華麗に融合した世界は本当に美しいです。


書つれづれ~落款印についてのデータとりまとめ~

毎月当会が発行している機関誌「清和」に、会長が「書つれづれ」というコラムを掲載しています。

機関誌せいわ

創始者の植村和堂先生亡き後に就任した現会長は理系出身。以前のブログでもご紹介したことがありますが、専門は応用物理学で、元は自動車会社のエンジニアでした。初代フェアレディZのエンジン開発を担当したことから、現在もスポーツカー関連の講演会に引っ張りだこです。
(ちなみに、昨年出版した本も好評で、現在在庫切れをしているようです)

http://seiwashodo.blog.fc2.com/blog-entry-96.html

また、会長は大の歴史好きです。「書つれづれ」では、豊富な歴史の知識や独自の理系目線を活かした、書にまつわるユニークなエッセイが綴られています。

書つれづれ2


先月のコラムは落款印について。ちょうど私も前回のブログで落款印について書いたばかりですが、例えば文系100%の私は展覧会で色々な作品の落款を見る時、どこに押したら面白いか、どんなデザインが好みに合うか、どんな色が好きかなど、主観的な見方ばかりについ関心がいってしまいますが、会長は、毎日展に出品された数百点の作品それぞれ「どこに」「いくつ」「どんな形の」落款印が押してあったかを部門別に数えて統計を取り、そのデータをまとめたものをコラムに書いています。

こういった視点も参考になって面白いので、ここにそのデータのみ抜粋してまとめたものをご紹介したいと思います。

【第65回毎日書道展出品作品の落款印について】

対象作品:審査会員以上
部門:漢字
点数:311点


白文印・主文印・関防(引首)印という3種類の落款を作法通りに押した作品…わずか5点(全体の1.6%)
白文印に関防印が4点、朱文印に関防印が3点、全部合わせても関防印のある作品はたったの12点(全体の3.8%)
→前年の第64回展では4%なので、関防印は減っている傾向。

関防印を省いた白文の角印 + 朱文の角印…61点(19.6%)

角印一個…219点(70.4%) うち、白文印は141点、朱文印は78点

丸印…9点
変形印…8点
ちなみに、丸印と変形印は朱文印の方が多く15点、白文2点。

落款なし…2点(前衛書)

対象作品:審査会員以上
部門:仮名
点数:166点


全作品、落款印は1個だけ。

角印…102点(61%)
うち朱文53点

丸印…20点(12%)
うち朱文16点

楕円形風の印…37点
洋梨形、卵形、そら豆形、滴流形、その他独創的な変形多数。うち、ほとんどが朱文。

コメント:落款印は最後に押すのが一般的だが、かな作品の場合、散らし書きをすると文末が左下にくるとは限らず、また作品効果を考慮し、文末から一寸離れたところに押したり、色々な工夫がなされている。

対象作品:審査会員以上
部門:近代詩文
点数:202点


全作品、落款印は一つだけ。

角印…176点(87%)
うち朱文85点、白文91点。

丸印…6点
矩形…5点
楕円…9点
変形印…5点

いかがですか?こうやって改めて数字で見ると、最近の傾向が分かってとても面白いですよね。作品制作の際、こういったデータも参考になるのではないでしょうか。

ちなみにひねくれものの私は、関防印を押す人がほとんどいない、もしくは落款を一つ以上押す人が少ないと聞いて、逆にトラディショナルなやり方で関防印の入った作品を作ってみたい!と思ったのでした。

書画と踊りと音楽と

東京バレエ団のジゼルを見に行ってきました。

主役のジゼルは、ウクライナ出身のボリショイバレエ団プリマバレリーナで、プーチン大統領のお気に入りとも言われている、スヴェトラーナ・ザハロワ。

http://www.svetlana-zakharova.com/
http://matome.naver.jp/odai/2140825528344563601

彼女の公演を見るのは初めてでしたが、これがもう息をのむほど美しく、役柄の精霊そのものでした。

ジゼル

ロマンティック・バレエを代表するジゼルですが、精霊の棲む夜の森を表現した薄暗いブルーの照明と、ジゼルの真っ白なドレスと、アダンの優雅な旋律とが織りなす風景に、ザハロワの霧のようにふわふわと漂う、重力を全く感じさせない踊りが加わり、この世のものとは思えない幻想的な世界を描いていました。

古典バレエの世界もやっぱりいいなぁと、公演後はしばらく夢心地でしたが、ふと思い出したのが、先月渋谷文化村で上映していたロンドンナショナルギャラリーのドキュメンタリー映画で、絵画の前でバレエを踊るシーン。

http://openers.jp/article/869562

少々話は飛びますが、先日友人が、絵画の前でペルトの合唱曲を演奏する展覧会の様子を紹介したリンクを送ってくれました。これがまたすばらしい!

ペルト+モダンアート+フォックスクラマンティス
https://www.youtube.com/watch?v=5MMamdLMtZo

こういった展覧会と、音楽や踊りなどを組み合わせて作り上げる空間ってすてきだなと最近よく思います。

私の絵の恩師である故坂下先生の個展でも、朗読とオペラのミニコンサートが企画されたのですが、独特の空気がかもしだされ、その場に居合わせたギャラリーの方たちと不思議な時間を共有できたのを記憶しています。

もし、古典仮名作品に音楽や踊りを合わせるとしたらどんなものが合うでしょう……?

レストランや、カフェ、バーなどの居心地のよいスペースで、特定のテーマを元に、書画と音楽や踊りのコラボレーション―そういったイベントを通じて、かなの世界を、若い世代の人たちや、海外の人たちなど、幅広い層に紹介していけたら面白そうです。


初落款印

自分の落款印を持っていなかったので、オーダーすることにしました。
今回は、独立書人団理事の加藤木石先生に作成して頂きました。

オーダーしてから約3か月、初めて自分の落款印ができあがりました!

関防印、姓名印、雅号印のセット。
主に漢字作品に用います。
落款1

姓名印は白文(字が白色)、雅印は朱文(字が朱色)になっています。
私は雅号がないので、雅印には名前が彫られています。

四角いのは関防印。座右の銘や好きな詩句などを用います。
今回はおまかせで彫って頂きましたが、「雲心」(自然を相手とし、無欲なこと)と書いてあります。

関防印は通常作品の右上に押しますが、元来は中国の明代、公文書の不正を防ぐため文書の右肩部分に押された印とのことです。現在では省略されることが多いそうですが、すてきな言葉とデザインなので、個人的にはバンバン押したい気分です。

【関防(カンボウ)印】書画の右肩に押して書き始めの印とした、長方形の印章。中国で明代、公文書に押した割り印に起源(コトバンクより)。

落款2

印鑑会社のサイトに、落款印について分かりやすく説明してありました。
http://www.kohodo.com/01item/08_rakkan/r_type.html

http://homepage2.nifty.com/kyo_no_hankoyasan/rakkann.htm

こちらは印泥。印泥の色も色々あって、値段もぴんきりです。

印泥

こちらは主に仮名作品用の落款。名前の一文字をとって、「美」と彫ってあります。

落款3

羊偏の「美」は、上半分が羊の頭、下は羊の足。
この「美」もぱっと見、角が生えた宇宙人みたいで可愛いです。

朱文でさほど主張が強くないので、絵画作品にも合いそうです。

公募展用に北アフリカで出会った女の子を描いたので、右下にできたばかりの落款印を押してみました。
ドーサ引きしてある紙に、チューブに入った中国の絵具を使って、工筆画の技法で描いています。

スーダン少女

ローマ字の署名を上に、年を下に書いてみました。
デザイン的にロゴマークのような雰囲気になるので、和の作品以外にも合わせやすいかもしれません。
落款4

落款印の世界も奥が深いです。
全然知識がないので少し勉強しなくちゃなぁと思いますが、あまり形式にこだわらず、作品の雰囲気に合わせて自分のセンスでうまく使い分けられうようになれたらいいなと思います。

極上生姜シロップとホットワイン

もうすぐ春なのに、寒い日が続きます…。

花粉症も辛いし、書はなかなかうまくならないし( ̄ー ̄; 、一日疲れてほっと一息つきたい時、温かい飲み物で、美味しくて、ほろっと和めて、しかも体によさそうなものないかなぁと、仕事帰りにデバ地下をうろうろしていた時、この生姜シロップが目に留まりました。

生姜シロップ

大分県産の生姜をきび砂糖に漬け、シナモン、クローブ、ナツメグ、赤トウガラシ、蜂蜜、レモン果汁を加えたFructusの特製シロップです。

http://fructus.jp/

http://shop.fructus.jp/?pid=31680900

店員さんのお話では、お湯に入れても、紅茶に入れても、炭酸水に入れても、ビールに入れても、カクテルにしても美味しいとのこと。お酒にも合うと聞いて、俄然興味津々。

少々お値段ははりますが、購入してみました。

試しに赤ワインをコップ一杯分温めてシロップを大匙2ほど入れてみたところ、ボトル800円のワインで極上のホットワインができました!クリスマスマーケットの風物詩でもあるホットワイン、ずっと飲みたいと思っていましたが、作るの面倒だし、市販のものは甘すぎてイマイチなので、この冬は飲まずじまいでしたが、このシロップ、冬のうちにもっと早く買っていればよかったです。ホットワインが好きな方はかなりおすすめです。しかも、生姜エキスたっぷりだから体によさそう←酒好きのいいわけ

今月末に控える仮名昇段試験の課題作成と、来月末に控える毎日展作品制作の締切にむけて、生姜パワーで乗り切れることを祈って。。。



毎日展下書会が開催されました

当会の恒例イベントである、毎日書展の下書会が、3月1日(日)の午後3時間半を使って、荒川区生涯学習センターにて開催されました。

毎日展作品の締め切りは4月下旬。あと2か月弱となり、皆さん作品制作に余念がありません。

講師には、齋藤美子顧問、楢原萌春副会長、佐藤芙蓉副会長をお迎えしました。
2015年下書会

2015年下書会

2015下書会

今回は会場の都合で、現地での制作は行わず、添削・批評のみとなりました。

シリアのアレッポ大学で書道を学ぶ学生たち

2015年2月19日の朝日新聞より。
内戦が続くシリアのアレッポ大学の学術交流日本センターで、現在も日本語や書道を学ぶ学生たちに関する記事です。

アレッポ書道部

1995年に開設されたセンターでは、内戦下の現在でも250人の学生たちが日本語を学んでいるとのこと。
そして書道クラブの学生たちは、11年に退避した日本人教師たちに代わり、ユーチューブに投稿された動画を見て書道を学んでいるそうです。

「シリアでは戦争の影響で美しいものへの関心が薄くなった。私は書道を続け、美への関心を持ち続けたい」
という大学生の声が紹介されていました。

様々な文明が交差する地であったシリアは、古代帝国アッシリア、ローマ帝国、イスラム帝国、十字軍、オスマン帝国等々、あらゆる時代が残した史跡の宝庫で、国中が博物館のような美しいところです。

すばらしい文化の溢れる土地に惹かれ、職場の知人を通じて紹介してもらったダマスカスのアパートを1か月ほど借り、そこを拠点に、シリア全土を友人と旅したことがありました。

ダマスカスのウマイヤドモスク。ローマのジュピター神殿だったものが教会になり、後に現在のモスクになりました。金のモザイクが華麗で、人々の憩いの場になっています。
ウマイヤドモスク

ダマスカス近郊のマールーラ村。キリストが話していたとされる古代アラム語を話す人々が今も生活している、山間の美しい村です。
マールーラ

イスラム国関連のニュースでよく耳にするアレッポも、魅力的な街でした。
アレッポ博物館が所蔵していた紀元前の遺物のコレクションがすばらしかったのを記憶していますが、現在は相当な被害を受けている様です。

アレッポ博物館館長さんのインタビュー記事
http://mainichi.jp/select/news/20150204k0000m040117000c.html

親日家も多く、街を歩いているとたくさんの人が親しげに話しかけてくれ、本当に親切にしてくれました。

シリアの人たちの顔が思い浮かび、連日の悲惨なニュースには悲しくてやり切れない気持ちでいっぱいになりますが、そんな環境の中でも、日本語の勉強を続け、美への関心を持ち続けたいと書道を学ぼうとしている学生がいるという話には心を打たれました。

記事には、東宮たくみさんという書家の方が、学生たちの苦境を知り動画を投稿したとありましたが、自分にできることから実際に行動を起こすことはすてきなことだなと思いました。まだまだ未熟な自分の実力にはとても歯がゆい思いがしますが、いつか何かの力になれればと、心新たに明日からも練習に励もうという気持ちになりました。

アラビア語にも、すばらしい書道文化があります。

arabiccalligraphy

機会があれば、アラビックカリグラフィーとかな文字の展覧会なども企画してみたいです。




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清和書道会は、書道の研究と普及を目的として、昭和24年に書家の植村和堂によって創設された書道会です。清和書道会HPはこちら

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