2015-11

中国文房四宝の故郷を訪ねる旅~その④~

4日目は、歙県にて、中国三大硯の一つである歙硯の工房見学に伺いました。

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職人さんたちが、硯の石を加工しているところ。

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こちらは墨の工房も兼ねていて、同じ敷地内で墨も作っていました。

煤と膠と香料を混ぜたものを練り合わせ、墨を作っていきます。
工程は日本の墨の作り方もほぼ同じでですが、日本ではひたすら手や足で練るのに対し、中国は練り合わせたものをハンマーで叩くのが特徴です。また、煤と膠の配合も中国と日本では異なるので、発色やにじみ、硬さ、粘りなどに違いが出てきます。水質の違い(中国は硬水、日本は軟水)などもあり、中国の墨は固いのが特徴で、保管に気をつけていないと湿気の多い日本では割れやすいという弱点もありますが、深味のある美しい色を出すことができます。

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練ったものを型にはめているところ。
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乾燥させているところ。
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出来上がった墨に彩色をしているところ。
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午後は徽墨(安徽省産の墨。名墨として有名)の開発者である清時代の墨匠、胡開文の生地、績渓上荘村へ。
胡開文記念館を訪れました。

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記念館の外にあった趣のあるベンチでは、地元の方たちがのんびり井戸端会議をしていました。
川が流れる、のどかな風景が美しい村です。

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午後は同じ村の徽墨工房へ。
午前中に見学した工房よりも大分小さなローカル工房でしたが、こちらも職人さんたちが一から全部手作りしていました。家族経営されている工房で、ご両親と跡継ぎの息子さんが案内してくれました。(英語は全く通じなかったので、ガイドさんに通訳してくれました)。日本にも輸出しているという午前中の工房では松煙墨が一つ4000円くらいで販売されていましたが、こちらは同じサイズの桐箱入り松煙墨がたったの600円(!)で販売されていました。質にどの程度の差があるのかは使ってみないと分かりませんが、試しに両方購入してみたので、使ってみるのが楽しみです。

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見学後は、227キロの道のりをミニバスで約3時間半かけて杭州へ。
今までとはうってかわり、大都会に到着です。

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中国文房四宝の故郷を訪ねる旅~その③~

3日目の午前中は、世界遺産になっている黄山へ。

ロープウェイで頂上までのぼるのですが、雨が降っているため、売店で合羽を購入。
あいにくのお天気で、ロープウェイから見る景色は雲で真っ白です。
何も見えません。

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あまりにも天気がひどかったら、早めに下山というスケジュールだったのですが、切り立った断崖に沿った遊歩道を歩いていくと、

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雲の合間に山が見えてきました!

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雲海が山を包みこみ、幽玄な世界が広がります。

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同行した方は以前にも黄山に来たことがあるとのことでしたが、その時は雲一つない晴天で全く違った表情していたそうです。
「雲海が見られてよかった!」と感激されていました。黄山は中国山水画の代表的モチーフですが、仙人が出てきそうな絵の世界そのものでした。

頂上にはレストランがありますが、材料はふもとから徒歩で調達しているとのことでした。
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午後は約2時間バスに揺られ、屯渓の老街へ。
映画のロケ地としてもこのあたりは有名ですが、明清時代の町並みが残っていて、現在は前長1キロちょっとの通りに商店が軒を連ねています。主に特産品である硯、筆、お茶、漬物などを売っています。

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漢方薬屋さん。ガイドさんが咳止めを購入していました。
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お茶屋さん。
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硯屋さん。
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お漬物屋さん。辛くて美味しいです。
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筆や紙を買いたくて、ガイドさんおすすめのお店に行きましたが、先日訪れた筆屋さんと比べると質はよさそうでしたが、やはり観光地だけあってお値段はやや高めでした。素敵な筆かけが2400円で売っていましたが、帰国後にアマゾンで見たら日本でも同じものを1300円でネット販売してました(^^;)ただ、物によっては日本に比べるとやはり安いし、日本では手に入りにくいものも売っています。お店の人との値段交渉、気に入ったものの吟味など、限られた時間に中ではなかなか難しいですが、イタチ毛100%の中筆や、大筆、日本ではなかなか手に入りにくい工筆画用の紙などを購入しました。

ここは硯の産地として有名ですが、硯にいたってはとにかく高い!先日テレビ特番で片岡鶴太郎さんが訪れた有名な硯店も老街にありますが、安くても数十万円していました。同行した書道用品専門店の方いわく、質の良い古い中国の硯が日本にはたくさんあるとのことで、そんな高い値段をつけても日本では売れないのでもっと安い価格で手に入るそうです。現在は中国の方も日本に買付にくるとのことでした。

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夜の灯りも風情があります。
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老街の端っこ。
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夕食は老街を出たところのレストランへ。
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ソラマメたっぷりの一品。ニンニクが効いていて美味しいです。
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湯葉で具材を巻いたものや、野菜、肉、卵餃子などが入った鍋。
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あんこ入りのお餅を熱した石で焼いているところ。
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屯渓ホテルのロビー。モダンチャイニーズなインテリアがすてきです。
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中国文房四宝の故郷を訪ねる旅~その②~

2日目は、車で約1時間半、宣城市のホテルから68キロ離れた涇県に向かいます。

朝ご飯はバイキング。朝からお腹いっぱい。
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泊まったホテル正面玄関の、、モスクのドームみたいな屋根。
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宣城市のある安徽省の人口は約6600万人。安徽省だけで、日本の人口の約半分!
中国が広いのは分かっていましたが、実際に行ってみるとより実感できます。

大人気の電動自転車。免許不要だそうで、町の致るところで見かけます。便利そう。
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涇県は紙の町として知られていて、現在でも200ほどの宣紙工場があります。
紙は中国古代4大発明の一つでその歴史は古いですが、唐の時代から既に樹皮を主原料とした紙が作られていました。

宣紙博物館到着。
宣紙を作る工程は108もあり、その多くは企業秘密とのことですが、ここではいくつかの作業工程を見学することがでいます。
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周辺の丘には、紙の原料となる青檀(せいたん)の樹の皮を束ねたものが一面に干してあります。
10ヵ月間干すそうです。繊維は石灰水に長時間漬けて干すため、虫食いはしないとのことでした。
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宣紙の原料となる青檀(せいたん)の樹。この地域特有の樹木です。
この樹皮が80%使われている紙はとても質が高いとされています。
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原料の樹皮を選抜しているところ。
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樹皮を叩いているところ。
ビフォー。
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アフター。
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こちらは紙を漉く時に使う簀の子を作っているところ。原料は竹。
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紙漉き中。基本的に2人で行います。
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次は出来あがった紙を干す課程。まずは1枚1枚はがして、
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65度に熱した石壁に4分貼って干します。
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検品作業。
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完成!
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宣紙博物館の後は、ご夫婦2人で経営されているという地元の筆工場に伺い、筆制作の工程を見学させてもらいました。

ウサギ毛で筆を制作してくれました。通常は丁寧に時間をかけて1本に数時間かけるそうですが、この日は工程を説明するためにものすごいスピードで10分くらいで1本を作ってくれました。
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日本のものの方が仕事が丁寧とはよく言われますが、中国製のよいところは(もちろん品質や買う場所にもよりますが)平均して日本に比べると値段が安い!この筆屋さんも、一つ一つ職人さんが手作りしている品質の高い筆ですが、観光客は滅多に来ないというローカルな田舎町の筆工房。とにかく安かったです。中筆や太筆が安いもので160円~。工筆画で使っている面相筆も日本では2000円くらいのを使っていますが、ここでは60円!色々混ぜて10本買いましたが、3000円しませんでした。

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午後は古い町並みが美しい査済村へ。

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水墨画のモチーフにぴったりの趣のある風景です。
あいにくの雨でしたが、しとしと雨がまたいい風情を出していました。
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手作りの帽子。
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何故か猫ではなくて、犬がそこかしこでうろうろしてます。
どの犬もおとなしくていい子でした。
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ずっと後ろをついてきたわんこ。
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昔の状態が保存されている家の中。
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光を美しく見せる建築です。
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何もしないでのんびり散歩しながら数日滞在してみたい場所でした。
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夜は再び羅さんチョイスのディナータイム。

名産の竹の子料理。この地方は竹が多いそうで、山一面に竹林が広がっている光景が見られます。
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この地方名物の卵餃子の鍋。優しい味でとっても美味しかったです。
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この日は太平湖のホテルに泊まりました。
文房四宝の故郷だけあって、ホテルの部屋や廊下のいたるところに書画の作品が飾ってありました。

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中国文房四宝の故郷を訪ねる旅~その①~

清和書道会では2年に一度ほどのペースで海外旅行を企画していますが、今年は「中国文房四宝の故郷を訪ねる」というテーマで、5日間かけて中国の宣州や屯渓を巡りました。

宣城市の宣紙工場を始め、筆工房、硯工房、墨工房を訪れて製造過程や歴史を知るという、書道会ならではの、オリジナルな中身の濃い企画です。観光名所の黄山や屯渓老街に加え、外国人がほとんど訪れないようなローカルの筆工房や墨工房訪問などが日程に組み込まれました。

参加者は清和書道会から14名+20年以上も中国の「企画旅」を扱ってきた大ベテラン添乗員の羅さん+現地ガイドの金さん。上海から入り、全行程、1400キロの道のりをミニバスで移動です。

1日目は移動の日。午後に成田から上海に着くと、すぐにバスで332キロの距離を4時間半かけて移動です。

上海の高層ビル群。
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1400キロの行程でずっと一緒だった運転手さんとミニバス。
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宣紙の故郷、宣城には19時ごろ到着しました。

ホテルのロビー。天井が高くて立派です。
中国人ビジネスマンが多く泊まっているようでした。
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夕食はホテルでとりました。添乗員の羅さんはかなりの食通で、食材に対するこだわりがプロの料理人並みに半端ありません。厨房に行き、その日の新鮮な食材をチェックした後、シェフと相談して主に地元の食材を使ったメニューを決めて、その日の料理を上手に選んでくれます。昼と夜は羅さんセレクトの地元名物の料理がずらりとテーブルに並びます。

花の形に並んだお漬物。醤油味が効いていて美味しいです。
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春雨の炒め物、インゲンとトウガラシの炒め物、小エビの揚げ物、餃子等々。
ちなみに料理に使われたエビは、冷凍か生きたものかを羅さんが事前に厨房でチェック済み。内陸で生きたエビを使うということは、薬を飲ませて無理に生かして運んでくることがほとんどだから、冷凍の方がよいそうです。この日のエビは冷凍とのことで、無事合格。
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料理のお供は地元の蒸留酒「白酒」。芳香の強い、アルコール度数の高いお酒です。
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初日は移動で終わったので、実際のツアーは翌日から開始です。

最近の成果

私の現在の目標の一つは、5年で書の師範試験合格=基礎力アップ。

それには、毎日少しずつ練習をするのが一番の近道なのですが、
楷書、行書、草書、隷書、細字、仮名、ペン字、篆刻、近代詩文書……エトセトラエトセトラ。
やること、多すぎです。道は険し。

今年で書道を始めて3年になるので、タイムリミットはあと2年!

とりあえずその日の気分で4書体くらいを選んで、仕事のない日に少しずつ練習中です。
日々の地味練が基本ですが、最近一つ思ったのが、写経を書く速度が速くなった!(あまり自慢にならないかもしれないですが)。以前までは一行に15分くらいかけて、3行も書くとへとへとだったのですが、今はだいたい一行7-8分で、5行書いてもあまり疲れなくなりました。最近、目に見えた変化といえばそのくらい。。。

そんなわけで、書の地味練の成果を写真にアップしても面白くないので、最近の工筆画をアップしてみました。
最終的には自分なりの書画作品を制作したいので、絵も少しずつ描きためていければと思っています。

ユリのスケッチを元に、絹本に墨で輪郭線を描き、彩色。
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扇に描いたシロクマシリーズ。工筆画用のドーサ引きした紙を使用しています。
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リラックス中のシロクマ。
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こちらは扇子に描いたナマズ。
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ほおずきが出てくる句で仮名創作。句に合わせてほおずきを描きました。
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上のは紙ですが、こちらは絹本。
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猫シリーズ。まだ裏打ちしてないのでしわしわですが、絹本に、墨と絵の具。
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野田秀樹演出のモーツァルト歌劇「フィガロの結婚」

野田秀樹演出のモーツァルト歌劇「フィガロの結婚」東京公演(池袋芸術劇場)に行ってきました。
http://l-tike.com/classic/figaro/

こちらは「オペラ・エクスプレス」によるリポート。
http://opera.jp.net/archives/2221

フィガロ

全国10都市をまわる大規模な公演ですが、ほぼ全て完売とのこと。私も5月ごろ、すごく面白いと噂に聞いてチケットを取ろうとしたところ、5月の関東エリア公演はすでにどこも完売で、10月の池袋大ホールの3階席が数枚余っているだけでした。

舞台は幕末の長崎。
黒船に乗ってやってきた伯爵と伯爵夫人、お小姓のケルビーノ、そこのお屋敷に仕える日本人という設定です。
フィガロはフィガ郎、スザンナはスザ女、バジリオは走り男などなど。オリジナル感が半端ありません。
伯爵、伯爵夫人、ケルビーノ以外のセリフは日本語。歌も日本語で歌われる場面がかなり多かったです。

フィガロ2

テンポのよいドタバタ喜劇が野田秀樹の演出とモーツァルトの音楽と重なり合って、極上のエンターテイメントになっていました。音楽がすばらしいのは言うまでもありませんが、随所で思いっきり笑えるのがすごいです。オペラでこんなに笑ったのは初めてです。

幕の代わりに、人が操る竹竿が使われています。
フィガロ3

今年の夏に公演があった宮本亜門演出のロールプレイングゲームを舞台にしたモーツァルトの「魔笛」もユニークでしたが、野田フィガロも新しい感覚でオペラを見せてくれるかなり独創的な舞台で面白かったです。

今回の公演は終わってしまいましたが、また次回することがあったら、オペラを見たことがない人(特に子どもたち)、なんとなく敬遠してしまっている人などには特におすすめです。


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